ベルギー王立美術館展

国立西洋美術館で開催中の「ベルギー王立美術館展 ブリューゲル、ルーベンス、マグリット、デルヴォ-・・・巨匠たちの400年」を観に行きました。この展覧会は、ブリュッセルのベルギー王立美術館の所蔵品より、16世紀のフランドル絵画から印象派、象徴主義を経て20世紀の超現実主義(シュールレアリスム)絵画まで、およそ400年にわたるベルギー絵画の歴史を紹介するものだそうです。

~展示内容~
古典油彩 古典素描 近代油彩 近代素描

ピーテル・ブリューゲル[父](?)《イカロスの墜落》まずは、ピーテル・ブリューゲル[父](?)《イカロスの墜落》から。いきなりの目玉商品!?ププッ ( ̄m ̄*)今回の目玉ということで、チラシや看板等、様々なところで目にしていましたが、実物を前にしてイカロスを見落としそうになりました~(/ー\*) イヤン♪って、コレ本当の話です・・・畑を耕している赤い服を着た女性がもの凄く存在感があり、また、誰一人としてイカロスの存在に気づいた人が描かれていないんですよね。しかも、空、雲、海の色合いや描き方がとても綺麗で素晴らしく、また、帆船も繊細で見応えがあります。船をじっくりと観ていたら、「あっ、イカロスいた・・・という感じで初めてイカロスに気づきました・・・(^_^;)ブリューゲル[父]の作品かどうかということで様々な議論が交わされているそうですが、個人的には、「誰の作品でもいいです、とても綺麗で見応えのある作品には何ら変わりまりませんから。ヾ( ̄ー ̄)ゞ」この作品は風景画に分類されるそうですが、風景画の構図としては遠近法が微妙・・・悪くないけどね。参考展示として、国立西洋美術館所蔵の2点、長男であるピーテル・ブリューゲル[子]《鳥罠のある冬景色》と、次男のヤン・ブリューゲル《アブラハムとイサクのいる森林風景》が展示されていました。
《鳥罠~》は今回初めて観ました、もしかして初お目見えなのかな。この作品は、昨年11月、ブリュッセルの画廊主催の展覧会で松方の旧蔵品と確認され、国立西洋美術館が約1億7000万円で購入したもので、1957年に日本橋で開かれた『旧松方コレクション名作美術展』に出品されたものだそうです。ブリューゲル[子]は父の作品を大量に模写していたそうで、この作品は『現存する模写の中でもベスト10に入る良質な作品』で、原作である父の作品はベルギー王立美術館が所蔵しているとのこと。そんなこと言われたら、並べて観たくなるじゃん!!持ってこいよ~

代わりというわけではありませんが・・・

ペーテル・パウル・ルーベンス《聖ベネディクトゥスの奇跡》とそれを模写したウジェーヌ・ドラクロワ《聖ベネディクトゥスの奇跡》が並べて展示されていました。目を凝らしてみてみると、そっくりだけど部分的にチョットだけ違う。やはり、個性というものがでるようだ。ベルギー王立美術館でも実際に並べて展示されているそうです。いい展示方法ですね、よくセットで貸してくれたよな~(^_^)ブリューゲルでは実現できなかったからな~~~(^_^;)

ヤーコブ・ヨルダーンス《飲む王様》は、王様ゲームの一場面だそうです。修正が加えられたりと過去にいろいろなことがあったそうです。王様になった人がお酒を飲む時、周りの者たちは皆で「王様が飲むぞ!」と言わなければならなかったそうだ。今も昔もやってることはたいして変わらないようだ・・・なんだかな~ イヤイヤ  へ(* ̄ー ̄)>

ガスパール・ド・クレイエル《天使に着付けてもらう若いマリア》はとても綺麗な作品でした。天使、マリア、ともにとても可愛い♪赤や青の色合いが綺麗です。アドリアーン・ファン・ユトレヒト《オウムのいる静物》、朝のエルミタージュに続き、またオウムだ♪(この後、更にウィーン展でオウムに出会うことになる!!)ヤン・フェイト《鶏と七面鳥》はコントラストも強く、迫力がある。まさに、これから決闘が始まろうかという物々しい雰囲気の一場面。動きのある雲が「暗雲たちこめる」という感じでその行く末を見守っている(暗示している!?)かのようだ。ルイ・ガレ《芸術と自由》は絵葉書の売上NO.3の人気作品だそうです。こいつが噂のイケメンか・・・ふっ生意気な個人的には闘争本能をかきたてられる。べ、べつに、張り合ってもしょうがないんですけどね・・・ププッ ( ̄m ̄*)(ちなみに絵葉書の売上1位はイカロスの海ポチャ、2位は光の帝国だそうです)ルイ・ガレはエルミタージュにも《漁師の家族》という繊細な作品がありました。

フェルナン・クノップフ《シューマンを聴きながら》ジェームズ・アンソール《黄金の拍車の戦い》はまさにウォーリーを捜せ!状態。何人いるの???《燻製ニシンを奪い合う骸骨たち》は毒舌たっぷりという感じの作品で面白いですね。フェルナン・クノップフ《シューマンを聴きながら》はゆったりとした感じでいいですね~でも「頭痛にノーシン」という風にも見えなくはない。そんな風にしか見れない自分が情けない・・・ウーム (; _ _ )/(ちなみにウチはバファリン・・・(^_^;))どうしても女性に注目してしまいますが、一呼吸おいてからみると室内の描写が繊細でとても素晴らしい。暖炉、絨毯、ピアノ・・・見応えがあります。ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク《孔雀》ジャン・デルヴィル《トリスタンとイゾルデ》は光の描写がとても綺麗、《目覚め》は存在感あり!!ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク《孔雀》幻想的でとても綺麗(^o^)丿。人間の手が入っていない神秘的な世界とでもいうべきか。時間を忘れる。この色彩とひんやりとした静けさは、夜明け前のひと時だろうか。エミール・クラウス《陽光の降り注ぐ小道》は爽やかでやさしい。なんか気持ちよさそうだ。《太陽と雨のウォータールー橋》は幻想的で綺麗ですね~、常設展のモネの作品を思いおこさせる。

美術館前の看板ポール・デルヴォー《夜汽車》はすごく寂しい、特に見つめる女性の表情が。誰かを見送っているのだろうか、それとも待っているのだろうか・・・《『散歩をする女たち』のための習作》は綺麗だった。やはり、デルヴォーは妖しく不思議な画家だ。何故だかよくわからないけれど魅了される。ルネ・マグリット《光の帝国》はとても不思議な作品である。でも、違和感を感じさせない写実性が凄い。空の描写、雲、水面に映る光の描写、この昼と夜が混在した異次元空間は圧巻!この作品は《イカロスの墜落》とともに看板のデザインに用いられ、上野公園を訪れる人々の視線を惹きつけていました。《血の声》も見応えのある作品ですね。

『400年は難しい・・・』それが、率直な感想です。400年と言いつつ、空白の時代がある。支配・侵略、独立・・・故に生じた空白。ヨーロッパにおけるベルギーという国の位置付け、隣国からの影響。ある意味、この空白が重要なのかも。
会場はそれほど混雑しておらず、自由に動けました。素晴らしい作品が来ていますが、やっぱり地味です特にエルミタージュ&ダリが宣伝で煽りまくって、ダリが最初から入場制限(エルミタージュも始まったようですね)しているのを考えると・・・(^_^;)最初と最後にどど~んと見応えのある凄い作品があるので、チョット中抜けしたような感じも。真ん中が素描のため、軽く感じたのかもしれません。イカロスの海ポチャもいいけど、参考展示の西美の2点がもっと良かった!!やっぱり西美は凄いです♪キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャーそして、誰が何と言おうと、デルヴォー、マグリットは必見です(^_^)v
もう一度観に行く予定なので、あまりよくわからなかった部分や見落としたかもしれない部分をいろいろと掘り下げてこようと思います。

  • 図録:2300円 (※音声ガイドのレシートで100円引き)
  • 音声ガイド:500円

国立西洋美術館(http://www.nmwa.go.jp/index-j.html

読売新聞:公式サイト(http://event.yomiuri.co.jp/royal/

 

表裏

【東京展】 国立西洋美術館:2006年9月12日~12月10日
【長崎展】 長崎県美術館:2007年1月6日~3月25日
【大阪展】 国立国際美術館:2007年4月7日~6月24日

この記事へのコメント

くみみん
2006年11月11日 15:09
こんにちは。
イカロスの墜落はホントにそういう題だったのかしら?って思いますよね=^-^=
なんかウォーリーを探せみたい。
王様ゲームがあったとは!おもしろい!!この絵って横で吐いてる人が居る絵ですか?
「芸術と自由」、イケメン…確かにそんな感じ!!
りゅう
2006年11月12日 13:55
>kumiminさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
イカロスはオマケ!? ププッ ( ̄m ̄*)
でも、「イカロスの墜落」でなかったら、アノ脚はかなり怪しいですよね!!
一応、鳥の羽が散ってますし、イカロスということで。(^_^;)
はい、王様ゲームは、ずばり、それです。ヾ( ̄ー ̄)ゞ
はいて~ ふいて~ ・・・って、掃除じゃないんだから(* ̄m ̄) ププッ
2006年11月13日 01:25
りゅうさん、こんばんは。
確かに地味でしたよね。
あんなに有名なのに、私が見に行ったときも、ジーッと見ている人が
居ませんでした。で、かなりじっくり見られました。初めは足が見つからないから焦りましたよ(汗)
2006年11月13日 20:31
りゅうさん、こんばんは
ベルギー王立美術館の記事ですが、全般的に見た記事をTBさせていただきました。(もう一つ記事にはしましたがそちらはベルギー象徴派オンリーにしました。)
ベルギーに実際行かれた方のお話によると、この美術館を代表する作品が何点か来てないみたいですね。
「鳥罠のある冬景色」のようにりゅうさんのおっしゃるようにブリューゲル父の作品を持ってきても良かったのに…です。

そういえば先日西美の常設を見に行ったところ、この展覧会のグッズ売り場にパトラッシュ・グッズがありました(ひぇ~~~)
りゅう
2006年11月14日 00:28
>mariさん、こんばんは。
TB&コメントありがとうございます(^o^)丿
イカロスは、見落とす可能性「大」ですよね、足だけですし・・・
見応えのある作品が多く、じっくりと楽しんできました( ̄ー ̄)v
この日は、朝イチでエルミタージュを鑑賞しましたが、
西美の前で開門を待つ人を2、3人見かけました。
りゅう
2006年11月14日 00:45
>アイレさん、こんばんは。
TB&コメントありがとうございます(^o^)丿
「板絵&大きい作品が×」というのは、さすがに響きますね。
板絵が×のため、かわりにイカロス君がやってきたようですが、なんだかな~
板絵もイカロスも自由に貸してくれたらいいのに。。。
パ、パトラッシュ・・・・・!Σ( ̄□ ̄;)
もう一度観に行く予定なので、チェックしてきますヾ( ̄ー ̄)ゞ
りゅう
2006年11月14日 00:46
>TaekoLovesParisさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
TaekoLovesParis
2006年11月14日 09:30
りゅうさん、昨日コメント長~く書いたのに送れなくて消えちゃった。。(泣)
後日、時間を見つけてゆっくり書きますね。
りゅう
2006年11月14日 18:48
>Taekoさん、こんばんは。
曽根風呂にはよくあることです♪(^_^;)
私の場合、「保存」「送信」ボタンを押す前に、コピーを心がけています。
エラーが出ても貼り付ければすみますし、どうしてもダメな時はメモ帳等に保存もできますしね!特に、記事を保存する時は。フフフ ( ̄+ー ̄)キラーン
それでも恐くて、ボタンを押す時はドキドキです・・・
(ボタンを押してフリーズしたことがあります・・・・・ウーム (; _ _ )/)
いっぷく
2006年11月16日 06:18
読みごたえありました。
先日調べものしてたら、りゅうさんのブログが出てきました。
りゅう
2006年11月16日 20:16
>いっぷくさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
駄文でお恥ずかしい限りです。(ー_ーゞ イヤァ・・・面目ない
出てきた中で一番役に立たなかったのではないでしょうか・・・(^_^;)
いっぷく
2006年11月17日 04:09
りゅうさんがTaekoさんのところでコメントしていただいた子供の絵の画家はどんな絵を描いているのかな?って調べたんですよ。
そしたらヒットしました。日本に帰国した時にでもコメントするようにしますね。
りゅう
2006年11月18日 11:27
>いっぷくさん、こんにちは。
子供の絵ですか、誰の作品についての話だったかな~ヾ( ̄ー ̄)ゞ
Taekoさんの所でチェックしてきます(^o^)丿
りゅう
2006年11月19日 21:00
>Takさん、TBありがとうございます(^o^)丿
2006年12月02日 19:44
ちわっ^^。私も遅ればせながら行って来ました。

>やっぱり地味です
これ、同感^^;。
悪くはない、でも派手さに欠けましたね。
宣伝チラシも「イカロス」よりマグリットを前面に持ってきたほうがよかったんじゃないかな。

>《トリスタンとイゾルデ》は光の描写がとても綺麗
これ、私も好きです。
二人の表情がちょっとワイエスが描いたヘルガぽかったけど。
りゅう
2006年12月02日 23:36
>shamonさん、こんばんは。TB&コメントありがとうございます(^o^)丿
さすがマグリット凄い人気ですね!
美術館前の看板(記事本文の写真)が上野公園を訪れる方々の注目を浴びていますね。イカロスはパッと見ではどこにいるのかわからないという感じで、宣伝としてはちょっとマニアックでしたね・・・
先日、2回目を観に行きました。さすが会期末、前回の2倍以上の入りでした。
前庭のイルミネーションも綺麗で見応えありました~(^_^)/
2009年05月05日 00:14
○takagakiさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

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